Takamori博士が語るレースの裏側ドタバタ話

富田竜一郎選手へ捧げる言葉                              2014年08月12日

Takamori博士 はかせです♪♪ 1970年北海道札幌市生まれ。1995年に北海道でレーシングカートに出会い、ミッションカートで日本全国のサーキットを転戦するほどレースにハマル。2008年に四輪レースへ初参戦。わずか5レースのキャリアでSUPER GT GT300クラスへ参戦したツワモノ。レーシングドライバーと言うよりも、まるで走るエンジニア。夢はいつか自分のマイカーを持つこと。実はサーキット以外で車を運転することが無い変わったレーシングドライバー?!なのです。



DIJON Racing育成ドライバーである富田竜一郎選手は、GT-Rのワンメイクレース「2014 GT-Rプレステージカップ」で、目下3連勝中のスゴイドライバーなのですが、まだまだレースを始めたばかりで、至らない点もあるのです。

そこでDIJON Racingでは、2014年 DIJON Racing 3大テーマの一つに、『富田竜一郎選手をSUPER GTに送り込む』という旗を掲げ、各種ワンメイクレースやスーパー耐久レース、SUPER GT合同テストで大量の実戦経験を集中して取り組ませました。

SUPER GT Rd.6 鈴鹿1000Kmでは、DIJON Racingのドライバーとして、いろいろな育成プログラムの成果を走りで表現してくれると思います。

『2014 GT-Rプレステージカップ』3連勝のご褒美として、富田竜一郎選手には、鈴鹿SUPER GT 予選Q1を担当してもらう予定です。走りの実力的には、アクシデントがなければ十分にQ1を突破できる実力をつけていますが、SUPER GTは強いドライバーの巣窟ですので、精神的に一段階強くなって欲しいのです。

ですので、DIJON Racing育成ドライバー富田竜一郎選手が強くなるためのHINTを差し上げたいと思います。

強いドライバーになるには、走り以外も鍛えてください。まずは写真の写りかたから始めましょうか?


■写真の写りかた講座
せっかくレースで勝ったのだからキチンと写真には写りたいものです。 基本的にレースは、スタート前のグリッド写真に始まり、表彰台の写真まで続くのです。決して、チェッカーフラッグをトップで受けたからと言って気を抜いてはイケマセン。。。

もっとも大切な事は、勝ったイメージを明確にし、次のレースへの勝ちにつなげる勝利へとすることなのです。

勝利のイメージを明確にするため、レース後にデータロガーを見たり、車載映像をみたり、一緒にレースを戦った他の選手へインタビューするなど、色々な作業は当たり前にありますが、簡単な方法の一つに写真を利用する方法があるのです。

写真とは時の流れの中で被写体物から放出される電磁波を記録媒体を使って定性的に記録する魔法のツールなのです。

ですので、写真には動画には無い、一瞬の事実を明確に作り上げるパワーがあります。ですので、ドライバーは、勝った時の気持ちを精一杯に体で表現するのです。そのエナジーを後で、客観的に写真の中の自分を見つめることで、自己分析を行います。

それほど、レースで勝った時の自分の姿を見ることは大切な事です。よく、予選は早いけど、決勝で勝てないドライバーがいます。それは、自分の姿を自分で分かっていないのです。

Takamori博士からのアドバイス
勝ってうれしいからと言ってピースしてはイケマセン。
勝っても、それじゃ、アナタ2位よ・・・・




■レースで勝てる強いドライバーになるには?
常に勝てるドライバーで居続けるための簡単な方法は、自分が勝った時の写真を見て、そのときの自分の精神状況を明確に覚えておく事が必要です。速すぎるドライバーは勝てるかも知れないけど、速いドライバーが勝ったんじゃないのです。勝ったドライバーが強いのです。

なので、強いドライバーになるためには、色々な事を一つ一つ実践することが大事です。レーシングシュミレーターばかり乗っていても速いドライバーにはなれますが、強いドライバーへはなれないのです。

強いドライバーになりたいのなら、プロカメラマンと契約して、自分の走りを写真に収めてもらう事から始めまて下さい。

自分でお金を払い、自分の写真をカメラで撮ってもらうのです。そうすれば、1周1万円以上かかる走行コストは更に高くなりますが、1秒たりとも無駄な走りはしないような精神に生まれ変わって行きます。

もちろん、カッコ良い写真が欲しいので、運転しながら、あのカメラマンはここに居て、このカメラマンはあそこにいるのね。。。とコースを全力で走っていてもコース脇のカメラマンの視線をビシビシ感じながら走るのです。

慣れてくると、カメラマンごとの癖やキャノンorニコンの特性も理解して、綺麗に写真に写るラインと速度が判ってきます。。。



■勝つイメージを作る!!
出来ることから一つずつコツコツを努力を続けも、1レースでの勝者は1人なのです。基本的にレースとは大量の敗者を生み出すスポーツなのです。

なので、勝ちに飢えているドライバーはあらゆる努力を惜しみません。もちろんレースで勝った時は、写真の写り方ひとつにも気を使います。勝てるドライバーとはそれくらい強いのです。余裕なのです。普段から色々な物事に物凄く気を使っているのです!!

ですので、勝ったレースでピースなどは絶対にしないのです!!

ピースをした時点で、実際のレースで勝っても、写真上では2位になってしますのです。。。。

勝ちにこだわる強いドライバーにスキは無いのです。かならず、両手で1本づつ指を立て、一位だぜ!!!と表現するのです。このとき、ヘルメットを被ったままでOKです。表情を見せてはイケマセン。王者の表情は簡単に人に見せてはイケナイノデス。。。

Takamori博士からのアドバイス
こんな感じで写れば、あーーーーっ、勝ったのね。と判りやすいし。写真を見ただけで、昔のレースの記憶がすべて思い出されます。




■表彰台での振舞い
優勝した場合は、トロフィーは片手で持ち、両手をV時に上げ、2位と3位のドライバーの顔を隠すようにするのです。。。

このお立ち台は、オレのものだぜ!! ぜってぃに誰にも渡さない。次も渡さない。。。仮に次のレースで俺が2位になっても、3位になっても、おまえらの自由にさせねーーーー、この表彰台は俺のものだ!!と分かりやすく表現する必要があります。。。

よく街中でワンちゃんが電信柱毎にテリトリー争いをするのと一緒で、”この場所はオレのモノ”と主張することが大事なのです。

写真は、2014 SUGO Fit3時間耐久レースでの表彰台の写真です。

第3位の井上選手(DIJON Raicng SUPER GT監督)は、表彰台に呼ばれるや直ぐに、1位の場所で両手を広げます!!

『オレが勝ったぜ!!』と、全身で表現するのです。これは、『次も勝つからな!!』と同じ意味なのです。自分が一番強い!!とサーキット中にアピールしているのです。

もちろん、井上監督が強いことは、日本国民の0.020%くらいは知っていますが、ネタをバラスと・・・・・実は、このレース、一度も井上監督はステアリングを握っていません。予選も決勝も一度も走っていないのです。

3人組みで耐久レースに参加したのですが、井上監督は、レース前日の練習走行でマシンのセットアップをしたのみで、予選も決勝も一度も走っていないのです。

しかし、表彰台だけは誰にも譲らない!! オレが一番!! 野郎なのです。。。



さて、鈴鹿1000Kmまであと18日、富田竜一郎選手は、どこまで強くなれるのでしょうか?

乞うご期待です。


このページは2013年~2015年まで、AUTO SPORTS webホームページに
投稿されていたモタスポブログ(2014年08月12日)を再編集したものです。